奥に、ひとり。
癒
2026.10.19

砂利の道が、門のほうへまっすぐ細くなっていく。
両側の木と石が、道の幅をすこしずつ絞って、目は自然に門の真ん中へ運ばれる。
その一番奥に、人がひとり立っていた。
帽子に手をやって、こちらを向いているように見える。顔までは分からない。でも、その小さな姿があるから、門の高さも、ここまでの道の長さも、急に分かる。
人がいなかったら、静かな門の写真で終わっていたと思う。
いるから、奥行きが生まれる。
伊勢の別宮のどこか。どの門だったかは、もう分からない。
分からなくても、写真の中の道は、ちゃんと奥まで続いている。
奥に、ひとり。
景色の大きさは、その人が教えてくれる。
-Reck
-Reck